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EF66形電気機関車のブレーキホース

EF66形電気機関車


(2000/03/25)

到着した貨物列車の入れ換えを行う場合、ブレーキホースを切り離すなどの準備が必要である。
EF66の自連(じれん:自動連結器)は、空気管付き密着式自動連結器で他の機関車に比べ自連自体も大きく、胴も長い。
この機関車...ブレーキホースを切るのが面倒なのである。

ブレーキホースを切るには、機関車と貨車の連結面に入り、まず手前にあるブレーキホースの肘コックを締める。

作業場所によっても異なるが、通常、左側に機関車、右側に貨車の形で作業することが多い。
これは、機関士の乗務している側に入れ換えを指示する操者や構内係が位置することが多いからであろう。
つまり、手前にある肘コックは貨車のコックである。

次に反対側の肘コック=機関車の肘コック=を締めるのであるが、この時、手が届かないのである。

EF65など旧来の機関車の場合、自連の上を越えて(基本は自連の下から)手を伸ばして反対側の肘コックも簡単に締めることができるのに、EF66の場合は届きにくいのである。

 

EF60形電気機関車

(写真上) EF60形電気機関車

 

EF60形電気機関車の肘コックの位置

(写真上) EF60形電気機関車の肘コックの位置は、自連のすぐ横にある

 

EF65形電気機関車

(写真上) EF65形電気機関車

EF65形電気機関車の肘コックの位置

(写真上) EF65形電気機関車の肘コックの位置

EF60形電気機関車の肘コックの位置に比べると少し自連からは離れてはいるが、すぐ横に位置している。

 

 

EF66形電気機関車

(写真上) そして、EF66形電気機関車

下の写真のとおり一目瞭然。

EF66形電気機関車の肘コックの位置

(写真上) EF66形電気機関車の肘コックの位置は、自連(密連)からかなり離れた下方に位置している

ブレーキホースの位置があまりにも下方で、自連からもかなりの距離があるのである。
..かといって、自連におなかをつけて乗りあげるような姿勢になればなんとか大丈夫だが、万が一貨車や機関車が動けば自連におなかを挟まれることになり非常に危険な、まさに自殺行為である。

よって、自連の下をくぐるように地面を這って相手側の肘コックを締めるか、自連の上を飛び越えて反対側に回っての作業になるのである。

この機関車は国鉄最強の機関車だけあって突放の時はものすごい加速ができるのである。
その、もの凄い加速から急停止するとググッとフロントが沈み込んで停車する。
空気バネのせいか、その後ユッサ、ユッサとダンピングしているのである。

長大なフレートライナーを高速で牽引すべく開発された国鉄最強の機関車が電車でいう各駅停車にあたる解結貨物を引いて駅で入れ換えを行うようになるとは。
もっとも、こんな姿は現在でも見られなくなっているのだろう。

 

EF66形機関車けん引 解結貨物

(写真上) 国鉄時代末期・EF66形機関車が様々な貨車で編成された解結貨物をけん引。


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