外見が出来上がってきてすっかり満足し、その先に一向に進めなかったNゲージのレイアウト用制御盤。少し作業を進めて。
Nゲージ用ポイントマシンを・・作りたい (その1)
これから作る予定のNゲージの固定式レイアウト。
篠原のフレキシブルレールとポイントを使用するつもりだが、専用のポイントマシンが発売されていない。
電動のポイントマシンの自作が必要じゃ~。
katoやtomixのもののようにコイルに電気を流してバチッと切り替えるのも単純で確実に動作して安定性があって良いが、せっかくなのでモーターを使ってスローアクションのものを作りたいなぁ。
しかし、アタイにとっては未知のものなので、ひとまず検証から。
モーター
ポイントマシンを駆動するモーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、直流モーターなどが考えられる。
作りたいポイントマシンの数は約20個ほどあるので、コスト的にも1個あたり数百円には抑えたい。
ひとまず安価にできそうな直流モーターを使うことで検討を進めることにした。
入手しやすい1.5Vから3Vくらいで駆動できるものということになろうか。
レイアウト上のポイントマシンの制御やら線路に走行用電流を供給するコントローラーをひとまとめにした制御盤の工作にも着手した。
この制御盤で行うポイントマシンの制御は、
・ポイントマシン1個あたりにつき、1つのPICマイコンで定位と反位を切り替える制御を行う。
・それらのPICマイコンの上位にはルートを制御するPICマイコンがあり、進路上のポイントを順番にパタッ、パタッ、パタッと切り替えていく制御を行う。
というものを予定。
個々のポイントを制御するPICマイコンはPIC16F1823(実売価格100円)、モーターの正転、逆転、スピードの制御はDCモーター用フルブリッジドライバTA7291P(実売価格2個で300円)ということになろうか。
動作確認用LEDとそれにつける抵抗、停止位置を判定するスイッチなどを考えると、これらのパーツはポイント1個あたり300円程度?
あとはモーターやギヤ。
これらを考えるとすでに1つのポイントあたり数百円で抑えたいという希望は叶わないみたい・・(^^;
まあPECOのポイントマシPL-10が1480円くらいだから、それより安くあがりゃぁいいか・・と、トーンダウン(^^;
で、話をモーターの制御に戻して。
DCモーター用フルブリッジドライバ
DCモーター用フルブリッジドライバTA7291Pは1A(ピーク時2A)流せるので、模型店で手に入りやすい小さな模型用モーターなら問題なく使えそう。
ただ、データシートを見ると出力側の電圧は内部ロス(Vsat)を考えた電圧を印加せよとなっている。
Vcc=12V、Vs=18V時の標準的なVsatやらVsatの最大値やらの表もある。
また、Vout≒Vref+0.7Vとの記載ある。
ウ~ム、何か言いたいことがあることはわかった。
が、ワシには理解できん・・(^^;
で、ワシが欲しい電圧はどうすればドライバから出てくるんじゃ?
ということで、 他人様のホームページに何か情報がないか調べたが、よくわからん。
こうなったら、ひとまず簡単なPICマイコンのプログラムを作って試してみよう。
基板上の回路はほぼ本番のものとして作り込み、モーター用の電源部のみを後とからなんとかする仕様として試作品を作った。
・・まぁ、ひらたく言えば行き当たりばったりな仕様。
いざ、試験開始。
解体したUSBハードディスクの電源部を使用して動かしてみる
念のため書きしるしときますが、「フルブリッジドライバとはどんなもんよ」すら理解していないアタイがとりあえず動きゃいいという感じで試験している記事です。
適当に動く電圧探すような試験など根本的におかしいし、そんな使い方しちゃダメ・・というご指摘・・不要です(^^;
参考にしようとこのページ見てる方・・フルブリッジドライバから火を吹いて事故になっても責任負えません(^^;
フルブリッジドライバについて知りたい人は、詳しい人がちゃんと責任もって書いたホームページ探してね(^^;
Vref、Vs、2.5Vくらいじゃどうなるの?
PICマイコン用の電源電圧は5V。
同じライン上の電圧を2.5V 0.5A出力の三端子レギュレータを介してモーター用電源として取得して配線してみた。
Vref、Vsともに三端子レギュレータの出力をそのままセットして2.5V。
テスターで計っても入力側には2.5Vがかかっており、PICマイコンからの制御用信号も1(5V)と0(0V)とでTA7291Pに入力されているが、ドライバから出力される電圧はテスターの針が微妙に動く程度。
いろいろと調べても一向に電圧がかかってこない。
ちなみに、ここで三端子レギュレータとGNDの間の2.5Vにモーターをつないで見るとモーターは回ったが、回り始めるその瞬間PICマイコンにリセットがかかるようだ。
(PICマイコンに動作状態を確認するためにLEDを点滅させるロジックを追加していたため判明。)
本番ではもうちょっと容量の大きい電源を使用するつもりでいたが、やはり0.5Aのレギュレーターではちょっと無理っぽい。
それに、あわよくば、PICマイコンとモーターの電源も共有できればと思っていたが、案の定、世の中そんなに甘くないみたい。
いずれにしても、Vref、Vsが2.5Vだと電圧は出力されないということけ!?
Vref、Vs、5Vくらいじゃどうなる?
今度はモーター用電源にPICと同じラインから5VをとってVref、Vsに入れてみる。
と、今度はTA7291Pの出力に電圧がかかってきた。
お~、ひとまずめでたしめでたし。
テスターで計ってみると入力ライン上の電圧5.4Vに対して、TA7291Pからの出力は4.8V。
0.6Vの低下。結構大きい。
ただ、この電圧は高すぎてモーターは繋げられない。
12Vで試してみる
電源部には12Vの出力もあるので、こちらで試してみる。
測定値は入力電圧11.8Vに対して、出力は10.8V。
1Vの低下。
当然これもモーターは繋げられない。
手近にあった3.3V1Aのアダプターで試してみる
測定値は入力電圧3.3Vに対して、出力は2.8V。
これなら使えそう。
容量も1Aもあるんで大丈夫だろう。
ちなみに、本番では複数のポイントを切り替えるときでも電源容量を考慮し、一斉に動作させるのではなく1個の切り替えが終わって次の切り替えを行うようにするつもりなので問題はないだろう。
実際に定格3Vのモーターを回してみる
実際にモーターを回してタミヤの「」と「ウォームギヤーボックスHE」を動かしてみることにした。
「ウォームギヤーボックスHE」はいい感じで回ったのだが・・ちょっと大きいのでポイントマシンには不向き。
さらに定価で980円。
ちょっと20個も用意できない。
本命の「ユニバーサルギヤーボックス」。
タミヤのギヤボックスの中では小型で定価も680円と一番安価。
でも20個そろえると結構フトコロには痛いが。
ところが、こいつはギヤの噛み合わせが「ウォームギヤーボックスHE」に比べてちょっときつめで回らなかった。
モーター単体では回ったのだが、ギヤーの負荷がかかると2.8Vではつらいということらしい。
以上で実験はおしまい・・では、「ユニバーサルギヤーボックス」は回せないで終わってしまう。
ここまでは、VrefとVsを同じにしてテストしてみたが、次はVresとVsを変えてみることに。
Vrefに2.5V、Vsに5Vでは
Vrefに2.5V三端子レギュレーターの出力を入れ、Vsに5Vラインを入れてみる。
測定値はVref2.8V、Vs5.3Vに対して、出力は2.8V。
・・これじゃぁ、ユニバーサルギヤーボックスは回せん。
Vrefに3.3V、Vsに5Vでは
Vrefに3.3Vアダプター出力を入れ、Vsに5Vラインを入れてみる。
測定値はVref3.6V、Vs5.3Vに対して、出力は4.3V。
フムフム、これがデータシートにあった「Vout≒Vref+0.7V」というあたりのことなのか?
もう一度モーターを回してみる
3Vが推奨のモーターに対してはちょっと電圧が高そうであるが、試しにユニバーサルギヤーボックスを繋いでみる。
暴走気味に回るのかと思いきや、適度な感じ。
それより何度か試してみたが、グリスアップもせず当たりのでていないギヤボックスでは時々手でアシストしないと回し始めないこともあるようだ。
当初は電圧をPWMで制御してモーターの回転速度を変えられるようにして、ポイントの切り替え速度も調整できる仕様とすることも考えたが、電圧が下がると起動できないんじゃないかというちょっとビミョーな雰囲気になりそうだ。
まあ、Nゲージのポイントのトングレールの移動量は2.5mm程度。
スローアクションといっても2.5mm程度しか移動しないんじゃぁ1秒足らず。
コイル式のように、バチッ、バチッと勢いよく切り替わらなきゃ「ヨシ」とするか!?
ここでも理想と現実のギャップ!?
記事の続きは
・・「Nゲージ用ポイントマシンの・・試作開始 (その2)」
・・が、レイアウト製作までに月日が流れすぎた
2022年12月
サーボモーターの価格は下がってしまった。
機構が複雑になるが、安価にできると思って作ってきたステッピングモーターを使ったポイントマシンは・・却下。
紆余曲折の経緯は置いておくとすると・・
結論としては・・レイアウトにはサーボモーター版を取り付けることにした。(^^;
↓ これです。