(2000/04/01)



蒸気機関車に積まれる水はボイラーで蒸気を発生させるためだけに使用されるだけではなく、いろんな所に撒かれることがある。


津和野駅にある給水塔

石炭水撒き

テンダー機関車の場合、運転室後部の屋根に散水するパイプがあり、石炭に向けて散水される。これは、粉炭を石炭に付着させ、投炭時に通風が強くても飛散することのないようにするためである。粘結性の石炭は水分が蒸発する間に粉炭の粒子が乾燥して燃焼し始め、互いに粘着して塊となり飛散することが少なくなり、燃えもよくなるそうだ。

運転室水撒き

運転室の床に水を撒き、ほこりを防いだり、清掃を行う。

灰箱水撒き

灰箱に散水し、残り火を消すと同時に灰を湿らせて捨てるときに舞い上がることがないようにする。

タイヤ水撒き

下り勾配でブレーキを多用することによりタイヤが高熱になり、摩擦係数が下がってブレーキの効きが悪くなったり、膨張して焼嵌(やきばめ)してあるタイヤとリムが緩むのを防止するためにタイヤに向け冷却用として散水する。

タイヤ? 一般には鉄道の場合「車輪」と呼ぶ。しかし、厳密に言うと車輪は車軸、輪心とタイヤから構成されており、タイヤとは輪心の外周を取り巻く鋼製の輪のことである。

レール水撒き

曲線でのレールとタイヤフランジの摩擦の減少、発熱の防止などのためレール面に散水して曲線の通過を容易にしたり、レール上での車輪の転動を良好にする。

レール砂洗い

空転防止のためレール面に撒いた砂が後続車両の車輪の抵抗を増すのを防ぐためにその砂を洗い流すものである。
急勾配区間で使用する機関車の最終動輪の後ろ側についている。

このように蒸気機関車の水の消費は意外に多く、石炭1に対して、水は最低でも5以上(重量比)必要ということである。
給水施設が随所の駅のホーム端に見られるのに対して、石炭を積む施設が機関区などに集中していることからも水の消費量が多いことを物語っているといえる。

ちなみに、炭水車にも「6-13A炭水車」、「12-17C炭水車」などの呼称がある。
最初の数値は石炭の積載量をt(トン)で表し、後の数値は水の積載量をm3(立方メートル)で表している。
同じ容量の炭水車でも改造が施された場合、設計順序によってA、B、Cといった記号が附記される。

C57形機関車は12-17炭水車、D52形機関車は10-25炭水車などが使用されている。
また、C62形機関車の炭水車は10-22A・S炭水車である。末尾のSはストーカー(自動給炭装置機)付きであることを表している。