交通保安係

(2000/05/28)


「交通保安係」、国鉄末期頃の職名である。JRとなった今、そういう職名があるのか、いやそれどころか職種自体があるのか否かも知らない。
職種はわかりやすく言えば、踏切の警手である。

昭和50年代には、もうほとんど見かけなくなっており、複々々線など線路幅が広く交通量の多い踏切や、貨車の入れ換えがある駅の構内のはずれにある踏切など極限られた所にしか配置されていなかった。
この時代には踏切も自動化されており、列車が接近すると遮断機も自動的に降りるようになっていた。
入れ換えなどで列車が行き来する頻度が高く、自動化ができない時にのみ遮断機をおろすのが実質的な仕事であった。

遮断機が降りて踏切内に異常が無ければ、昼間は白旗、夜間は合図灯を振って機関士、運転士に合図を送る。

機関士によっては、短い汽笛をならしてくれたり、手をあげて挨拶をしてくれたものだ。
特にブルートレインのように高速で通過する列車の機関士が白い手袋をした手を窓から出して挨拶してくれる姿は感激物である。

詰所は狭く、事務机、流し台がある程度である。

単線の場合や例外もあったであろうが、複線の場合、道路から線路に向かって見ると右側に詰所が設置されていることが多い。
要は、列車の来る方向に詰所があり、それから道路があるという配置である。
これは万が一、列車と車が衝突した場合、下手(しもて)に詰所があるとそれに警手が巻き込まれることになるのを防ぐための安全配慮の一つでもある。